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燃調考察

ブレーキ回りの問題でアルミスイングアームの取り付け作業が中断・・。
おかげでヒマになってしまったので、以前から気になっていた「ぬううcc」エンジンの燃調を調べてみることにします。
某巨大掲示板でボアうpするとインジェクターがついてこないとかいう書き込みがあったので気になっていたのですよね。

KLX125C/DにはO2センサが付いています、こいつをモニターすれば燃調の濃い薄いも判断できるはず?

O2センサーは理論空燃比(1:14.7)を境に電圧が変動する特性を持っており、
サービスマニュアルを見るとリッチ時0.8V以上、リーン時0.24V以下となっています。
P-Pが約1Vであることからジルコニア1VタイプのO2センサではないかと。

ではでは、早速計測してみましょう!
オシロとパソコンを表に持ち出し接続の準備をします。
オシロを準備
↑ 一家に1台! オシロスコープ♪
今時STN液晶のデジタルオシロだから明るい場所だと画面がみづらい・・
なので接続したパソコンでキャプチャーすることにします。

O2センサーにはこんな感じでプローブを接続!
プローブを接続
↑ アダプターコネクターを接続してヒーター回路をバイパスし、センサーの電圧を測ります。

最初にお断りですが、自分のDトラ125で計測した結果であり、他の車輌と違う場合もあるのでご参考まで。

当方のマシンはブタ鼻化+ぬううcc+ノーマルマフラーという構成です。

まずはアイドリング状態を計測。
アイドリング状態
↑ 約3秒のサイクルでリッチとリーンを繰り返しています。
O2センサをフィードバックして燃調がコントロールされていることが確認できます。

次に4000rpmパーシャル開度
パーシャル状態
↑ O2センサはリーンに近い状態を示しています。
まさかホントにインジェクターの能力不足なの・・?

んで、アクセルを急閉すると・・
アクセル急閉
↑ 一時的にリッチになり、しばらくするとフィードバックのループにもどりました。正常な動作です。

なんとなく釈然としないので高回転時も計測してみます。
レッド付近
↑ 約9000rpmレッド付近で計測。
おっ? 1秒ほどリーンになったあとリッチな状態が継続しています。

ん~。よくわからん・・。
無負荷状態で回してるので、実際の走行時とは違うかもしれませんが、計測結果を見る限りでは
インジェクターの能力不足ということは無さそうです。
O2センサーのフィードバックより、アクセル開度や負圧とかの燃調マップが優先されるのかもしれませんね。

いつかリッチとリーンを判定するインジケータとか作ってみたいです。

ちなみにギアポジションやスタンドスイッチなどインターロック機構は燃調と関係してないみたい。

※メーカー技術者の方に直接お伺いしたところ、クラッチのロックアウトスイッチは
燃調にも関わっているとのことです。むやみに外しちゃダメみたい。11/02/11追記)

また、O2センサはエンジン始動後40秒ぐらいから動作を開始するようです。
少なくとも1分ぐらい暖機してから走り出すようにしたいですね。

トラックバック一覧

コメント一覧

にゅう Eメール 2010年10月19日(火)09時29分 編集・削除

噂とかそういうレベルですが・・・
薄い時に生成される窒素酸化物は触媒で解決できるのでわざとそういう風にしてるとかなんとか

高回転時はエンジン保護のためでしょうね

いつもいろいろと参考になります
いろいろ期待してます

くれない 2010年10月19日(火)22時16分 編集・削除

はじめまして,KLX125に乗ってます
先日まで,クラッチスイッチをショートさせていたのですが,エンジンの不調がみられました。長い下り坂でエンブレを利かせているとエンストしたり,フルスロットルでは一瞬息つきをしたり。しかし,スイッチを元に戻すと異常は見られなくなりました。私のKLXでは再現性があるので,クラッチスイッチと燃調には何らかの関係があると思うのですが…

けん 2010年10月19日(火)23時12分 編集・削除

某巨大掲示板の記事、自分も気になっていました。
O2センサーのデータ、すばらしいですね。
オシロがあるのはとてもうらやましいです。

ということは、FIコントローラをつければ対応できそうな感じですよね…。

もうひとつ気になるのはインジェクターの開弁時間ですか。これが全開になっているなら確かに限界なのかなぁと…。

リッチリーン判定インジケータ、たしかにすばらしいアイデアですね。自分には回路の知識とかないのでさっぱりちんぷんかんぷんです^^;

junker@管理人 2010年10月20日(水)01時05分 編集・削除

>にゅうさん
中間開度では燃費を稼ぐためリーンバーン気味なのかもしれませんね。
糞詰まりノーマルマフラーを使ってますから、抜けの良い社外マフラーでは結果が違うかも・・。

>くれない さん
はじめまして「オープンでぶらぶら」の中の人ですよね?(^^;
実は私のDトラ125もクラッチのインターロックスイッチを解除していますが、
とくに不具合が発生したことは無いです。
もし、エンスト後一旦キーをOFFにしないと再始動出来ない場合は転倒センサの過敏反応の可能性が高いです。
しかし、過去http://www.kawasaki-cp.khi.co.jp/recall/09-06a/index.htmlのような不具合があったこともあるようです。
ベンチテストじゃエンブレ状態を再現できないので今回の計測結果に反映されていないのかもしれませんね。

>けん さん
インジェクターの通電時間もオシロで計測出来ますね!
いつか計測してみます。
リッチ/リーンのインジケータはPICみたいなマイコンで比較的簡単に作れそうな気がしています。
問題はO2センサではどれぐらい薄いのか濃いのかが判らないことですが。

とおりすがりのKLX125>144海苔 2010年11月04日(木)13時04分 編集・削除

Dトラ125のO2センサーはジルコニアではなくチタニアタイプと思います.車体からヒーターと別に5Vが供給されているようなので.
ジルコニアの場合は比較対象の酸素濃度検出の為に大気暴露部が必要らしいのですが,チタニアだと不要なので防水構造に出来るのがメリットだとか.

junker@管理人(しごとちう) 2010年11月04日(木)15時38分 編集・削除

なるほど、自動車にもそうそうチタニア式は使いませんから、
ジルコニアだとばかり思っていました。

ジルコニア →空燃比により起電力が発生 
チタニア  →空燃比により内部抵抗が変化
という動作の違いがあり、根本的に別物です。

結果としてセンサー出力 ←→ グランド間の電圧が規定値どおりであれば
現在作成している燃調モニターの設計を変更する必要は無いと思われますが、
印可電圧 ←→ センサー出力の意味だとすればダメということになりますね。

O2センサのどちらかの端子とグランド間を計ったとき1~5Vの一定電圧が掛かって
いればチタニア式、そうでなければジルコニア式と判断できるのかなぁと考えます。

ん~、クラッチスイッチの燃調関与疑惑といいECUが介在するとブラックボックスに
なってしまうのはいただけませんねぇ。