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ぬおうキット! - キットの内容編 -

先日話題にした某キットが到着しました。
2年前のぬうう化に続いて日本最速レビューを目指しますよ!

いつもの休日通り遅く目を覚まし、二階の部屋から階下に降りていくと玄関に大きな荷物が鎮座しておりました。
大きな梱包が届くと家族からどことなくプレッシャーを感じて心苦しいです、ハイ。

ま、そんなこと気にせず鼻息スピスピいわせながら開梱しますけどね♪

ショップの箱の中に武川の白い箱、白い箱の中に黄/黒でカラーリングされた武川おなじみの箱が入っておりました。
いったい幾つの箱を処分すれば良いのでしょうか。
開梱!
緩衝材に使われていた新聞紙は2011年11月25日のもの。
長くても1ヶ月以内に梱包された事が判ります。

内容物は武川のカタログに記載されたものが全てですからそちらを確認していただくとして、武川独自のパーツ部分にスポットを当てて紹介します。
なにぶん武川の開発と実験で作り出された製品でしょうから、あんまり細かくは書きません。

まずはシリンダーから観察します。
シリンダー
↑ 62mmボア 鉄スリーブシリンダー

スカート部分がかなり薄いです。
うっかりゴツンとぶつけたら曲がってしまいそうな感じがします。
武川のお家芸であるスカット仕様にせず、スカートを残したままボアを確保するとこれが限界なのではないでしょうか?
クランク側の縁にはテーパーが付けてあるのでピストンの挿入に難儀しなくて良さそうです。

シリンダー自体は純正部品を流用しており、それにカスタム鉄スリーブを打ち込んだものみたい。
刻印
↑ 排気量の刻印は削られ、「TAKEGAWA」のロゴが刻印されています。

んで、ピストン。
これは完全なカスタム品ですね。
刻印
↑ ピストントップはかなり盛り上がった形状です。
アルミの鋳物から削り出されたピストンは、純正のピストンに比べてずいぶん薄い形状をしています。
おそらくマスの低減が目的だと思われます。
ピストンピン付近
↑ ピストンピン付近は要所が補強されているものの、純正と比べると頼りない感じです。
あくまでも「レース専用部品」ですからね。

ピストンピンを基準にして純正品と並べるとこんな感じ。
純正と比較
↑ ほぼ同じ高さです。
ピストントップの盛り上がりを考えると、純正より高圧縮であることが窺えます。
バッテリーが弱ったときセルが回るか心配です。

これまでに入手したピストンを並べてみました。
ピストン比較
↑ 左から 純正124 純正ぬうう 武川ぬおう です。
純正ピストンに比べて武川ピストンは美しいですね、機能美を感じます。

最後にジェネレータカバーです。
ジェネレータカバー
↑ 点火タイミングを遅角させるためか、一部フライス加工してあります。(クランク左回転だよね?)
ケースを削って隙間を広げ、その部分にピックアップを寄せる感じでしょうか?
どれだけタイミングをズラすか苦労した部分だと思います。

いやぁ、期待しちゃいますね!
年内には取り付け出来そうです。

始動!

夜中の雨で濡れたパーツを拭いつつ、始動のための準備を進めます。

まずは圧縮の確認から。
コンプレッションゲージ
コンプレッションゲージを接続して数秒間セルを回します。
結果、900kpaぐらいでした。
KLX140のサービスマニュアルに書いてある上限値と下限値の中間ぐらいです、問題無さそう!

シートや外装を装着する前に始動を確認しておきましょう。

キーをひねり、警告灯の消灯を待ってからスタータースイッチを押します。
ドルンドルン・・・。

若干重々しくスターターは回りますが、始動の気配がありません。
どうやら、燃料タンクからインジェクションまでの配管にガソリンが来ていないみたい。
燃料が重力で落ちてくるわけではないので、タンクに取り付けられた燃料ポンプからの圧送を待たねばなりません。

キーをひねった初期動作の時、燃料ポンプからの音が長く聞こえるので、
キーのオンオフを繰り返して燃料をインジェクターに送ってみることにします。

3回ぐらいそれを繰り返し、そして再度スターターを押すと・・

ドルンドルンすととととととと・・・
今度はあっさり始動しました!

ISCも問題なく作動しているようで、エンジンが暖まると1300rpm程度で安定してアイドルしています。

オイルが行き渡り馴染むまでの間、そのままの状態でシートと外装を取り付けました。

んで、試走。
近所にある河川敷のフラットダートでぬううエンジンの実力を試します!
河川敷
確かにパワーは上がっていますが、レスポンスが鈍いためか劇的な変化は感じられません。
やはり吸気口の拡張とマフラーの交換も同時にやるべきです。
FIのマッピング次第で激変するのかもしれませんが、現状その手だてはありませんし・・・。

残念ながらノーマルのKSR2にすらまだ負けている感じです。
一応乗用車をリードするぐらいのパワーはあると思いますけど。

予想通りECUが補正してくれるのか、燃調にも問題ありません。
上から下までスムーズに回るので快適です。


実はエンジンのことより、フラットダートでのサスの堅さが気になりました。
Dトラ125はオン向けだとは理解しているけどもう少し柔らかくてもイイと思います。
シートが固いので振動が・が・がガガw


・Dトラ分解に関するTIPS
燃料タンクを外す際、燃料ホースをインジェクションユニットから外しますが、
見たことのない燃料コネクタに少々とまどいました。
燃料コネクタ
↑まず、コの字型をした赤いパーツを外側にズラします、ツメを浮かせながら慎重に!
そしてコネクターを引き抜きます。
取り付けはその逆です、カチッと鳴るまで差し込んで、コの字パーツを元の位置に戻せばOKです。

最初コレの構造が判らずサルのように悩みましたw
腰上分解するだけでも、燃料ポンプコネクタ、シリンダー温センサなど見慣れないコネクタを
抜き差しすることになるので、ツメの掛かり方をよく観察して痛めないように扱う必要があります。

ぬうう化

さぁ、機は熟した。
作業に取りかかろうではないか!

っというほど大したことなく、終わってみればぬうう化は非常にシンプルでした。

前例が無くKLX140のサービスマニュアルを見ながら手探りで進めたため迷うこともありましたけど・・・w

↓まずはバラします。
分解
電子制御化されたDトラ125はけっこう身が詰まっていて分解するのが大変。
シリンダーを外すまでが一苦労です、シートやらタンクやら色々関係ない部品を外さねばなりません。
しかも隙間が狭く工具がなかなか入らずイライラしますw
KSR110の整備性に比べるとマイナス点です。

おっ!いっちょまえに三相交流発電なのね?
レギュレート・レクチファイア

と、各部に感心しながら分解していきます。

レフトカバーの点検プラグから、フライホイールのTマークを合わせ・・・
点検窓
カムシャフトカバーからスプロケットを外そうとします。
ところが、スプロケットを留めるネジが固くて外れません。
半ば諦めエアインパクトを準備しようかと思っていたところ、ふとサービスマニュアルを見ると「Left hand thread」の文字が・・。
逆ネジ?
逆に回したらあっさり外れましたw

まだたいして乗ってないためか、ヘッド・シリンダー共に固着することなくあっさり外れました。
輸入したぬううシリンダーと純正シリンダーを比べてみます。
シリンダー比較
↑各部を計測してみましたが、違うのは打ち込まれたスリーブの厚みだけでした。
これなら、125のシリンダーを井上あたりでボーリングしてもらえば安上がりです。
これだけスリーブが厚ければ61mmぐらいまでのピストンが入れられそうです。
スカット仕様なら64mmも行けそう。(インジェクションがついてこれるかは別として)

俄然テンション上がってきました!
古いガスケットを削りとるのがまどろっこしいですw
すかさずムフフなピストン装着↓
ピストン装着
特に鏡面加工とかしてません。

続いてムフフシリンダー装着!
オイルパイプもそのまま流用出来ました。
点検窓
あれ?外したはずのドウェルピンが1個足らないぞ?
まっまさか!?

案の定、クランクケース内に落ちてました・・orz

せっかく取り付けたシリンダーを一度外して、ドウェルピンを救出。
エンジン始動する前に気付いて良かったです、ネオジム磁石最高!

しかしまたしても試練が・・・
ヘッドを閉めようとガスケットをビニールから取り出します。

うん?、なんか見覚えあるガスケットだな?
ガスケット
↑ってこれ、KSR110(KLX110)のガスケットじゃんw(右)
オー! アイム ミステイク!誤発注してしまいました。orz..
いや、たしかにKSRも持ってるんですけどね、何で間違ったのかわからないです。
一瞬カワサキが梱包間違ったのかと思ってしまいました、タイの人コートーカー。

「すていつ」から3週間かけて輸入するのもバカらしいので、外したノーマルガスケットを加工して代用することにします。
フラップホイールiconを電動ドリルに取り付け、ガスケットを拡張する
こと約1時間、どうにか58mmまで拡張出来ました。
ガスケット加工完了
軽く液ガス塗ってヘッドを閉めます。

余計なトラブルで思いのほか時間が掛かり、ガレージのライトに照らされる中ようやく完成です。
組み上げ完了!

走行テストは明日以降に持ち越しです。
なにぶんこのまま公道を走るとアレなのでどっかの河原にでも行ってきます。

おそらく、O2センサーまで搭載した本格的なインジェクションですから、
20cc程度の違いはECUが補正してくれると予想しています。

あとは細い象鼻とマフラーを変えればけっこう楽しめるマシンになるのではないかと?

総評
ぬうう化に当たり、絶対に用意しなければならない部品はピストンのみである。
あとはシリンダーのボーリングとガスケットの小加工ぐらいで済むため、
安く済まそうと思えば2万円掛からずしてボアアップ可能。

どうせなら、アメリカのBBRから160ccピストンが売られているのでコレを入手してしまった方がよいかもしれません。

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