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オートディマー2

武川がモトチャンプ誌で本気をチラリと見せてくれました!
(ハイパー)Sステージボアアップキット、カム、FIコンの3点が紹介されていたけど、スペックや値段についてはまったく不明です。
KSR110の時も発売から2~3年経ってから色々なパーツが出そろってきましたから、期待して良いのかな?

さて、とは言っても製品が出るのは相当先のことになると思うので、当面はオートディマーの開発をネタにしてお茶を濁します。


先日装着した試作品は、今のところ問題なく動作しているようです。
友人の依頼で作ってみたものの、個人的にはまったく興味のない装置でした。
しかし、使ってみると意外と良いじゃないですか!
人間の目は変化するものに良く反応するように出来ているので、ライトの輝度が変わると自然と目に入ります。
存在アピールが高まれば、信号待ちからの右直事故やサンキュー事故に有効かもしれません。(道交法的には可変する灯火はNGだった気がするけど。)

そんな感じで俄然興味が湧いたので、もう少し良いものにするべく開発開始です!

オートディマー装置は、ニュートラルからの信号をマイコンで受けパワーMOS-FETを制御し、減光動作を行います。
減光の仕組みは、オンとオフを高速に切り換えてその比率を変化させることで見かけ上の電力を制御するものです。
人間の目は残像が残るし、白熱電球自体も余熱でしばらく光り続けるので、点滅させていても点きっぱなしに見えるんですね。
この方式はPWMと呼ばれ、色々な機器に幅広く使われています。
PWMのイメージ
↑ PWMのオシログラフ実測値。
オンとオフの比率を変化させることで見かけ上の電力を調整します。

試作したディマーは減光時にデューティー比(onとoffの比率)を30%固定にしておりました。
しかし、使う電球の種類によって輝度は変わりますし、好みの問題もありますから、減光時の明るさはユーザーが自由に決められる仕様にします。

具体的にはマイコンのADC(アナログデジタルコンバータ)を使って可変抵抗器の値を読み取り、その値に応じた輝度になるように改造します。
幸い、マイコンの6つのI/Oピンのうち、使っているのはニュートラル信号の検出とMOS-FET駆動の2つだけですから、余ったピンに可変抵抗器をつなげれば良いですね!

おのずと部品点数が増えるので基板も再設計です。
PCB設計
なるべくコンパクトになるようにしたいけど、個人の力では片面基板しか作れないので、あまり小さくできません。
基板サイズは40mm x 25mm ぐらいでしょうか?
この大きさになると配線材すら邪魔になるので、別の場所に部品を配置すれば良かったと後で思う事がしばしばあります。

基板の設計が完成したら、マイコンのプログラミングです。
いまさらアセンブラとか使ってられないので、BASICライクな高級言語でプログラムしてからコンパイルします。
速度にシビアな機械じゃないので開発効率を優先させたほうが得策です。
mikrobasicコンパイラー
↑ セルビアから輸入した「mikroBasic PRO for PIC」 キリル圏にもかかわず説明書は完全に英語だからあまり困りません。
2バイト文字(日本語)でコメントアウト出来ないのが難点かな?

前回試作したプログラムをベースにADCルーチンを追加して任意のデューティー比に変更できるようにしました。

プログラムが出来たら、理論通りに動くか動作の実験をします。
実験中!
↑ 実験中の図。
テストボードにオシロとパソコンを繋いで、理論通りに動作するか検証します。
もちろんパソコン上で十分デバッグしますが、外部回路の影響などもあるため、パソコンの結果=実際の結果とはならないのです。

と、言ってるそばからバグ発見!
バグ発見!
↑ どうやら100%点灯状態の時にほんのわずかながらOFFタイムが発生しているようです、2ms周期で下ヒゲが出ているのが確認できます。
時間軸を拡大して観測すると、OFFタイムは8usであることがわかりました。

「2msごとに8us」

この数字が何を表すかはすぐに気付きました。
2ms = 周波数500Hz時の周期
8us = PWMの分解能256時の周期
ですね。

つまりPWMのデューティー比100%にしたハズなのに、実際の動作では99.61%にしかなっていないということです。
プログラムを何度見直しても間違っていないので、コンパイラのバグかPWM周波数との兼ね合いかもしれません。
実用上問題があるわけではないけれど、少々気持ちが悪いので100%点灯時はPWMを停止して常にHiを出力するようにプログラムを変更しました。

結果、オシロでの計測結果も良好です♪

あぁ、機器制御は奧が深いなぁ。
基板の製作は今度にしよ。

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